自殺予防総合研究センター 宮本翔平特任助教らの論文が「BMC Public Health」に掲載されました。(R7.8.14)
自殺予防総合研究センターの宮本翔平特任助教らによる、金鲨银鲨_森林舞会游戏-下载|官网6年度に実施した事業データを活用した論文が「BMC Public Health」に掲載されました。
◆論文タイトル
Moderating role of alcohol tolerance in the association between excessive drinking and psychological distress: a cross-sectional study among agricultural workers in Japan
◆著者名
Syohei Miyamoto, Fumiya Tanji, Suguru Iwano, Atushi Iwasawa, Hidenobu Ohta, Kyoichi Ono
◆掲載誌
BMC Public Health(2025年8月14日)
◆研究等概要
日本の自殺者数は依然として高水準にあり、特に農村地域では飲酒習慣とメンタルヘルスの関係が大きな課題とされています。本研究は、秋田県の農業従事者を対象に「過度の飲酒」と「心理的苦痛(ストレスや不安、抑うつなど)」の関係を調べ、その際に「アルコール耐性」という体質的な要因がどのように作用するかを検討しました。
2024年11月から2025年1月に20歳以上の農業従事者550人に調査を行い、そのうち169人の回答を分析しました。飲酒習慣は国際的に広く用いられるAUDIT、心理的苦痛はK6を用いて測定しました。また、アルコール耐性の有無は「飲酒時に顔が赤くなるかどうか」で判定しました。
解析の結果、過度の飲酒習慣がある人はそうでない人に比べ、心理的苦痛を抱える可能性が約6倍高いことが分かりました。さらに、アルコール耐性の有無によってこの関係は異なり、耐性を持つ人では飲酒と心理的苦痛の結びつきが特に強く(約28倍)、耐性を持たない人では明確な関係は見られませんでした。
今回の結果は「体質を考慮した飲酒対策やメンタルヘルス支援」の重要性を示すものです。今後は、より大規模で長期的な研究を通じて、農村地域における効果的な自殺予防や健康支援の方法を探ることが期待されます。